


























アメリカが広島に落とした原子爆弾で被爆し、家族を失った少年ゲンが、貧困や偏見に苦しみながらも力強く生き抜く姿を描いた漫画「はだしのゲン」。主人公のモデルは6歳で原爆を体験した作者の中沢啓治さん自身です。「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった1973年から半世紀、25ヶ国で翻訳出版され、2024年には漫画のアカデミー賞とも呼ばれるアメリカの「アイズナー賞」を受賞。手塚治虫さんや宮崎駿さんらに続き、殿堂入りを果たしました。しかしいっぽうで近年は、「描写が過激」「間違った歴史認識を植え付ける」などと、学校図書館での閲覧制限を求める声が上がったり、広島市の平和教材から消えるなどして、大きな議論を呼びました。なぜ、いまなお一作の漫画がこれほどまでに私たちを熱くするのでしょう?

本作は、メディア・アンビシャス映像部門大賞、第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード番組部門〈ドキュメンタリー〉最優秀賞などを受賞したBS12スペシャル「『はだしのゲン』の熱伝導 ~原爆漫画を伝える人々~」の映画化です。監督は「春想い
〜初めての出稼ぎ〜」「われら百姓家族」など数々の傑作ドキュメンタリー番組を手がけてきた込山正徳。映画化に際して、込山監督を敬愛してやまない大島新(『香川1区』『国葬の日』)と前田亜紀(『NO選挙,NO
LIFE』)が共同プロデューサーとして参加しました。
“戦後80年”を迎えたいまもウクライナや中東では戦火が続き、核の脅威は決して過去のものではありません。映画は不朽の反戦漫画の誕生から現在を見つめ、私たちが生きているこの世界に溢れる、怒りや悲しみ、そして優しさを映し出していきます。
「6歳の中沢さんが見た地獄」から、
私たち大人は何を学べるでしょうか。
小さなゲンを常に心に抱くことで、
平和ある未来は自ずと形作られるのだと思います。
もし、『はだしのゲン』がこれほど広く読まれていなければ……核兵器というものに対して、日本人の多くもまた、いまだにハリウッド映画レベルの呑気な認識しか持てていなかったかもしれない。不愉快な現実=歴史をこそ直視し語り継ごうとするこの真の「国民的マンガ」を、つまり我々は決して、手放してはならないのだ。
まだ怒っているゲンが、ずっと問いかけてくる。
歴史とは都合よく捻じ曲げられるものだと予見していたのかもしれない。
軍国主義と核兵器の犠牲になった人々の声を背負って、怒り続けたゲン。
その居場所が、広島にすらなくなりつつある。
ゲンの怒りは嘆きにもなり、今、わたしたちに向けられている。
もう忘れてしまったのか、再び繰り返すのか、と。
30年来の盟友が、平和への祈りを込めて、凄い熱量で「被曝80年」に発信する傑作。後世に残すべき貴重な証言の数々は、監督の人柄が引き出したものだろう。そして思わずニヤリとさせる毒も忘れない。さすが込山監督!
プーチンの脅しによって核抑止論がまやかしであることが明らかになったはずなのに、いまだに日本は核兵器禁止条約に加盟しない。イスラエルを西側世界は止められない。歴史修正やヘイトは増えている。ゲンは「まだ怒っている」のではなく、「もっと怒っている」はずだ。

1962年横浜生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、フリーの映像ディレクターとして、約40年間ドキュメンタリー番組を制作。テーマは主に市井の人々の喜びと悲しみ。「春想い 〜初めての出稼ぎ〜」(94/フジテレビ「NONFIX」)でギャラクシー選奨受賞。「生きてます16歳 〜500gで生まれた全盲の少女〜」(00/フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)でATP総務大臣賞受賞。「われら百姓家族」(00/フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)はシリーズ化され話題になる。「中国 晴海から寂聴への旅 瀬戸内寂聴80歳」(02/NHKBS正月特番)の撮影で瀬戸内寂聴さんと中国を2週間旅をする。「女装と家族と終活と〜キャンディさんの人生〜」(21/フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)では伝説的な女装家の人生を追った。2005年、自らのシングルパパ・ライフを綴った「パパの涙で子は育つ―シングルパパの子育て奮闘記」(ポプラ社)を上梓、2007年にフジテレビ「金曜プレステージ 父の日スペシャル パパの涙で子は育つ」として江口洋介主演でドラマ化された。
1983年生まれ、札幌市出身。テレビプロデューサー。番組制作会社を経て、2015 年BS12 トゥエルビ 入社。BS12 スペシャルのドキュメンタリー番組「怪物に敗れた男たち~モンスター井上尚弥が変えた人生~」(22)、「人生最終章に花道を~横須賀・町医者が見つめる生と死~」(23)、「『はだしのゲン』の熱伝導~原爆漫画を伝える人々」(24)、音楽バラエティ番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」(第8回衛星放送協会オリジナル番組アワードバラエティ番組部門最優秀賞)などを制作。
1980年生まれ。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒。番組制作会社、CS放送局などを経て、2018年 より東京サウンド・プロダクション。情報番組、ドキュメンタリー、食と旅にまつわる番組を中心にプロデュース。「世界銘酒紀行」(05~10)ほか、BS12の番組にドキュメンタリー「人生最終章に花道を~横須賀・町医者が見つめる生と死~」(23)、「『はだしのゲン』の熱伝導~原爆漫画を伝える人々」(24)、「フード・イノベーターズ~食の革命者たち」(21)など。
1969年生まれ。ドキュメンタリー監督、プロデューサー。監督作品に『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』(07/第17回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞受賞)、『なぜ君は総理大臣になれないのか』(20/第94回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位)、『香川1区』(22)、『国葬の日』(23/日本映画ペンクラブ会員選出文化映画部門第1位)。主なプロデュース作品に『カレーライスを一から作る』(16/前田亜紀監督)、『ぼけますから、よろしくお願いします。』(18/信友直子監督)、『私のはなし 部落のはなし』(22/満若勇咲監督)、『劇場版 センキョナンデス』(23/ダースレイダー、プチ鹿島監督)、『NO選挙,NO LIFE』(23/前田亜紀監督)、『うんこと死体の復権』(24/関野吉晴監督)など。
1976年生まれ。ドキュメンタリーディレクター、プロデューサー。2001年よりテレビ番組の制作に携わり、「ETV特集」「情熱大陸」など、テレビドキュメンタリーを数多く手がける。監督作に『カレーライスを一から作る』(16)、『NO選挙,NO LIFE』(23)。主なプロデュース作に大島新監督『なぜ君は総理大臣になれないのか』(20)、『香川1区』(22)、『国葬の日』(23)、関野吉晴監督『うんこと死体の復権』(24)など。
1961年生まれ。音楽家。1990年、松岡錠司監督『バタアシ金魚』で映画音楽家としてデビュー、以降数多くの映画音楽を手掛ける。代表作に河瀨直美監督『萌の朱雀』(97)、『殯の森』(07)、蜷川幸雄監督『蛇にピアス』(08)など。近作に工藤将亮監督『遠いところ』(23)、戸田彬弘監督『市子』(23)、宮嶋風花監督『愛のゆくえ』(24)、松永大司監督『GENERATIONS : The Documentary』(25)、吉田浩太監督『終点のあの子』(26年公開予定)など。

| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 北海道札幌市 | シアターキノ | 011-231-9355 | 12/6(土)〜 |
| 備考: | |||
| 宮城県仙台市 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | 12/5(金)〜 |
| 備考: | |||
| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 東京都中野区 | ポレポレ東中野 | 03-3371-0088 | 11/15(土)〜 |
| 備考: | |||
| 神奈川県横浜市 | 横浜シネマリン | 045-341-3180 | 12/6(土)~12/19(金) |
| ★12/6(土)初日舞台挨拶あり ・登壇者:込山正徳(監督)、大島新(共同プロデューサー) |
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| 神奈川県逗子市 | シネマアミーゴ | 046-873-5643 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 群馬県高崎市 | シネマテークたかさき | 027-325-1744 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 埼玉県川越市 | 川越スカラ座 | 049-223-0733 | 近日公開 |
| 火曜・水曜定休 | |||
| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 愛知県名古屋市 | ナゴヤキネマ・ノイ | 052-734-7467 | 11/29(土)〜 |
| 火曜定休 | |||
| 長野県長野市 | 長野相生座・ロキシー | 026-232-3016 | 12/12(金)〜12/25(木) |
| 備考: | |||
| 長野県上田市 | 上田映劇 | 0268-22-0269 | 12/12(金)〜 |
| 休映:12/15(月)ほか | |||
| 長野県松本市 | 松本CINEMAセレクト | 0263-98-4928 | 12/14(日)のみ |
| 備考: | |||
| 新潟県新潟市 | シネ・ウインド | 025-243-5530 | 12/7(日)〜12/19(金) |
| 火曜定休 | |||
| 富山県富山市 | ほとり座 | 076-422-0821 | 11/29(土)〜12/5(金) |
| 備考: | |||
| 静岡県静岡市 | 静岡シネ・ギャラリー | 054-50-0283 | 12/12(金)~ |
| 備考: | |||
| 静岡県浜松市 | シネマイーラ | 053-489-5539 | 12/26(金)~1/1(木) |
| 備考: | |||
| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 大阪府大阪市 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 11/22(土)〜 |
| ★11/22(土)、11/23(日)両日とも舞台挨拶あり ・登壇者:込山正徳(監督)、高橋良美(プロデューサー) |
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| 京都府京都市 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 11/21(金)〜12/11(木) |
| ★11/22(土)、11/23(日)両日とも舞台挨拶あり ・登壇者:込山正徳(監督)、高橋良美(プロデューサー) |
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| 兵庫県神戸市 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 11/22(土)〜11/28(金) |
| ★11/22(土)、11/23(日)両日とも舞台挨拶あり ・登壇者:込山正徳(監督)、高橋良美(プロデューサー) |
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| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 広島県広島市 | サロンシネマ | 082-962-7772 | 11/14(金)〜 |
| 備考: | |||
| 山口県山口市 | 山口情報芸術センター | 083-901-2222 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 愛媛県松山市 | シネマルナティック | 089-933-9240 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 地域 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
| 福岡県福岡市 | KBCシネマ | 092-751-4268 | 11/28(金)~ |
| 備考: | |||
| 大分県大分市 | シネマ5 | 097-536-4512 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 熊本県熊本市 | Denkikan | 096-352-2121 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 佐賀県佐賀市 | シアター・シエマ | 0952-27-5116 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 宮崎県宮崎市 | 宮崎キネマ館 | 0985-28-1162 | 近日公開 |
| 備考: | |||
| 鹿児島県鹿児島市 | ガーデンズシネマ | 099-222-8746 | 11/29(土)~ |
| 休映:12/6(土)、12/7(日) | |||
| 沖縄県那覇市 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 1/10(土)〜 |
| 備考: | |||